たとえばこんなの…
『交渉人 真下正義2』
警察官が殺人を起こし、警察組織トップが二人辞任するという衝撃的な事件が起きて数か月がたとうとしていた。
自分の子供が誘拐されたことへのマスコミからのバッシングに頭を悩ませていた真下署長はこのまま署長を続けていいのか思い悩んでいた。
・・・と、袴田副署長と魚住刑事課長は心配していたのだが…。
真下は、所轄の署長という立場は彼にとって退屈な場であり、交渉課にいたころの充実感がなく、ただ悶々としていただけであった。
その頃、新宿北署管内で身代金目的の誘拐事件が発生。
工藤をはじめとする刑事課の面々が足で捜査し、課長が不在となった交渉課も倉橋を課長代理として犯人と交渉を続けていた。
しかし事件は一向に好転を見せない。
そこへ犯人を名乗る人物から一本の電話がかかってくる。
「この程度の事件も解決できないようでは、やはり日本の警察は大したことはないな。
日本の警察に告ぐ。総理大臣の乗った飛行機を乗っ取った。彼の命を救いたければ私と勝負しろ。」
実は被害者と思われていた人物も犯人グループの一人で、この間にハイジャック計画が進行していたのだ。
事件の大きさに戸惑いを隠せない二人。八方ふさがりとなった工藤は室井に、そして倉橋は真下にそれぞれ助けを求めようとしていた。
この状況に室井は真下に降格処分として交渉課への復帰を命じようとしていた。
一方の真下もまた、交渉課に戻る決意を固めつつあった。