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CINEMA HOLIC 織田裕二インタビュー

「踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」
俳優 織田裕二インタビュー(2)

※文字起こしではありません。割と詳細にはしてますが、インタビューを要約しております。

役作りというのは自分で考えられますか?

役柄に関しては、自分がやる役のことを一番好きになりますね。

愛しちゃう?

うーん、愛しちゃう。
どこかその人の欠点と愛せるところ・・・愛せるところ=欠点だったりするけど、そこを探すんですよね、台本(ホン)読んでて。人間臭いというか。
スーパーマンってどうも好きになれなくて。あまり面白くなくて。
どこかこいつダメなんだけど〜どこかこいつ悪いんだけど〜という、ちょっとそういうところに惹かれる。

人間臭さがポイントですね?

僕はそういう人の方が素直にみれるんですね。
嘘臭い、こんな100%どこから切っても“いい人”なんて〜と、返って穿った見方をするので。
ダメな奴なんだけど、でもここは魅力なんだよっていう、その方が自分でも素直に入っていける。

「スターウォーズ」でいうとハン・ソロ?
主人公のルークを見てても全然分かんないんだけど、ハン・ソロは好きなんです。
ルークは全然分からない。納得いかないんですよね。

出来上がった自分の作品を改めて見返したりはしますか?

『いや、全然ないっすよ』
そんなに何度も何度も見返したりはしません。たまに見るくらいで。
終った後は勿論すぐ見ますけど、それからは中々機会もないし。
たまにテレビとかでやってると「あぁ、やってる、懐かしい!」と、見てしまいます。
「うわー」みたいな。

その「うわー」の意味は?

照れとか。
こうやって頑張ってたのね、みたいな。これはこれの(当時の)精一杯だなと。
やっぱり知らず知らずに微妙に進化していて、昔のものはやはり恥ずかしいです。

そうですか?

恥ずかしいですよ。初期の頃のなんて「うわー、なんちゅう芝居してんねん。顔、隠しとこうかな?」みたいなものが。

いえいえ、ファンにとってはたまりません

いやぁ。。。

昔、何かでご一緒した時に、他局の「イカ天」の後に、「イカ天」のビデオ版のような番組があって、素人の監督が短編のようなものを撮っていたのですが、織田さんがそれをすごく見ていて「あの素人の○○さんの作るのが面白い!」と話していたのを覚えているのですが、織田さんは撮りたい人なんだと思っていました。

映画をですか?

はい

人と組んで面白いものを作りたいんです。 元々見てもカウンタ作品が多いんです。これ(踊る大捜査線)もそうなんですけど。

カウンタ?

当時、王道というスタイルがあるとすれば、そっちをやっていない。
大抵カウンタ系というか、当時そんなのをやっても当たらないよ、とか誰が見るの?みたいなのをやっていることが多くて。僕は面白いと思うんだけど・・・。
でも普通はあまりやらないですね。中にはそれを面白がって一緒にやろうと云ってくれたり、「オマエ、こういうの好きだろ?」って云ってくれる人もいたりで、何とかこういう形にはなってきているけど。

誰もこれ(踊る大捜査線)なんか最初は相手にしなかった。本当に寂しいくらい。
実験枠と言われていて、実験して勝手にやって下さいみたいな。期待しませんからという感じだった。
でもそれがバネになるというか「見とけよ!」みたいな。
「ホームラン打つぞ」みたいな。雑草、負けず嫌いというか。

逆にそれで勝ったら痛快で面白いんじゃないか?と。
変に大きな船に乗ると、安心してダメになったりする。かえって小さい船で海に出て行ったほうがよかったり。

可能性はゼロじゃない。
はなから無駄なことにチャレンジするのではなくて、勝ち目はある。
ガッツさえあれば何とか乗り切れるだろうと、理屈で云っても何とかギリギリいけるんじゃないかと。

悔しかったんですね。
日本の小説やアニメは世界のどこへ持っていっても素晴らしい。
でも映画に関してというと、予算だったりスケールだったり、規模だったり、色んなものの要素やエンタテイメントに関しての勘違いというものがある。
日本の映画業界自体がエンタテイメントを低く見ているようなところがあるような気がしている。
僕はエンタテイメントとは最高のものだという思いがあって・・・そんな気がしますけど。

「ホワイトアウト」もそうですけど、こんな作品を本気でやる?みたいな。
小説は知っているけど、映画化しようという大馬鹿がどこにいる?みたいな。

でも(「ホワイトアウト」の富樫は)かっこよかったですよ

かなりイジメられてましたよ。

なぜ?どこでイジメられてたのですか?

そんなのやってもうちは金を出さないなんて云われましたけど。
でもやりたいって。どうしてもやりたいって。
こんな日本映画があったら面白いでしょう?何でないのだろう?と。
ちゃんと頑張れば出来るんじゃないかと。

ジャンルなんてどうでもいい。面白いとか、感動するとかいうのは別にエンタテイメントだからしっかりとやっていない訳ではない。そういう勝負の仕方をどこかしたくて。
いわゆる文芸作品などというのは、よく出来ていて誉められやすいんだけれど、そうじゃなくてもキッチリちゃんとやっているエンタテイメントというのも見たいなと。

それはそれの大変な技術や色んなものがあるので、実は一番難しかったりするのかな?と思うけど、やってみたい。

映画を愛しているのですね。

映画がデビューだったんですよね。
オーディション受けて、海のものとも山のものともつかない自分を拾ってくれたのが映画だったので。
当時も言われていたんですよね、「もうこれからは身長185以上なければ主役はできない」みたいなことを。
オーディションを受けに行った頃は若造だったから「あぁ、そうっすかぁ、185はねぇなぁ。177って小せぇのかな?そんなに小さかねぇけどなぁ・・・くそったれ、やってやる」みたいな。

恵まれていないというのは変だけど・・・恵まれていたんだけれど、どこか基準がいつもそんなに高いのか?と。
嫌じゃないですか、それだけでダメといわれちゃうのが。
寂しいし、とりあえずチャンスくれ!っていう。
結構オーディションのやつ(受けた映画)って多かったんですよ。

映画に対する熱意を一番感じます。織田さんの中で特別な情熱というのを感じます。

うーん・・・総合的なんですよね、映画って。
音楽もやっていて、映画もやってて・・・音楽がいかに大事かって凄く分かるし。
音楽が芝居をやっていてもパワーになるんですよね。具体的にこうすればいいんじゃないか、ああすればいいんじゃないか、というのが見えてくるというか。

例えばこれ(踊る大捜査線)でもそうだし「ホワイトアウト」もそうだけど、一緒に音楽も自分がやっている。
「ホワイトアウト」と「踊る大捜査線」では全然違うチームなんだけれど。
一緒に音楽やアルバムを作っている人達と一緒にサントラの方でやったりとか。

この人は音楽だけよりも映像が付いた方がよりいいんじゃないかというのと、この人は音楽だけの方がいいというのがある。
その映像の「絵」が想像できる音楽を作る人というのに出会った時は「あぁ、一緒に映像を作りたいな」と。
この人の才能はそっちの才能が凄くあるという2通りのタイプがいるんですよね。

織田裕二プロデュース作品が絶対出てきますね?

いや・・・あの・・・セミプロデュースみたいなのはあるんです。
プロデュースというそんな大袈裟なのではないんですが、言い出しっぺみたいなのはありますね。
「ホワイトアウト」とか。

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