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2000/04の湾岸署

[2000年04月30日(日)]

「お前ら!まだ見つからないのか!」
新城の怒声がとぶ。
青島は肩をすくめている。
「先輩が怒られてないなんて不思議ですね」
隣からささやくのは真下。
叱られているのは本庁の刑事達。青島らはそれを部屋の隅で聞いている。
「オレだって今回はただの道案内だからな。怒られないさ」
真下に返す。
「あれだけ目撃者がいて何故被疑者が浮かばないんだ!」
新城の怒声は続いている。
「目撃者はいっぱいいるのに証言が食い違いすぎてて一本に絞れないみたいですよ」
真下は青島に説明した。
「オレたちが現場に着いた時にはもう大勢が大騒ぎだったからなぁ」
青島も事件現場を思い出す。
「そこ!なにベラベラ喋ってるんだ!」
新城の怒鳴り声は青島へも向けられた。
「はいっすいません!」
と真下と二人、姿勢を正した。
何故か真下は、少し満足そうに笑った。
「やっぱ新城さんに怒られるのは先輩じゃないと」
「うるさいよ、おまえ」
二人はその姿勢のまま、肘でつつき合った。

[2000年04月28日(金)]

「青島君青島君!」
副署長が走ってきた。
「なんです?」
慣れない状況にキョトンとする青島に
「昨日の傷害事件、殺人事件に切り替わったぞ」
「え!?」
青島は和久と顔を見合わせた。
「つーことは・・」
とつぶやく和久に
「そうだ。捜査本部が立つぞ」
秋山はそう言ってまたどこかに騒ぎながら走って行った。
その秋山を見送りつつ振り返った和久は、苦虫を噛みつぶしたような顔の青島を見つけるのだった。

[2000年04月27日(木)]

けたたましくベルが鳴ると、
「警視庁から入電中・・・」
とスピーカーは喋りはじめた。
「台場海浜公園駅前で傷害事件発生、被疑者と思われる男は逃走中・・・」
スピーカーを見上げていた魚住と真下は顔を見合わせた。
「青島君と和久さん、海浜公園駅の方に行ってるんじゃなかったっけ?」
のんびりと、魚住が真下に確認する。
「そうですねぇ。先輩達に行ってもらいましょうか」
真下ものんびりと受話器を上げた。
「あ、先輩?海浜公園駅前で傷害事件ですって。お願いします」
と、電話に向かって言うと、
「俺達だって忙しいんだよ!」
と叫ぶ青島の声。
「先輩たちいるとこのすぐ近くですから、お願いしますねぇ」
「どうせお前ら暇してんだろ!お前行けよ!こっちは」
まで聞こえたところで、真下は受話器を置いた。

[2000年04月26日(水)]

「うわぁ!」
と声がしたので青島と和久が顔を覗かせると、真下が階段から落ちていた。
その横で夏美がスカートの裾を直している。
「いててて、夏美ちゃん。大丈夫?」
となんとか立ち上がる真下だったが、自分は脚を打ったらしく膝をさすっている。
「真下さんこそ、大丈夫?」
ごめんなさいボーッとしてて、などと言いながら夏美は真下にハンカチを差し出した。
「おい、真下よ」
和久がニヤニヤ言う。
「お前今、夏美ちゃんのスカートの中、見たろ」
「え?」
と、途端に耳まで真っ赤になる真下。
「な、な、なんで!そんなことないですよ!」
とアワアワ言うが、青島に
「鼻血、拭けよ」
と言われて初めて、鼻から血がゆっくり伝ってくるのを感じた。

[2000年04月25日(火)]

「魚住くん、ちょっと」
刑事課の入り口で袴田が手招きして呼ぶ。
「は・・はい?」
何だろうという顔で青島や真下と目を合わせるが、二人とも首を傾げる。
魚住はそのまま袴田に連れられていった。
「なんでしょうね」
と真下。
「どうせ飲み会だかなんだかの誘いじゃないの?」
青島はニヤッと笑って、仕事を続ける。
しばらくすると、帰ってきた魚住。
妙に気合いが入っていて、顔には満面の笑みを浮かべている。
「ま、まずい!」
と叫ぶ青島。
「な、な、なんですか」
と動揺する真下はすでに青島に手を引かれている。
「捜査だよっほらっ」
青島は小声で叫ぶ。
「捜査?なんのですか?」
よく分からないままカバンを手にとっている真下。
「なんでもいいんだよ、出るぞっ」
と、より強く真下の手を引っ張ったが、魚住の
「はい、ちょっとだけ出るの待って聞いてねぇ」
と手を叩く音で、ガックリ肩を落とす青島。声にならない声で、遅かったか・・、と呟いたのを、真下は聞いた。
その背中に、
「はいぃ、健康診断の季節がやってきましたよ!青島君真下君、君たちも若くないんだからちゃんと受けるようにねぇ!」
と、いつになく元気な魚住の声が突き刺さるのだった。

[2000年04月20日(木)]

「中西係長、今日いっぱいどうです?」
ティーサーバーの前で、魚住が声をかけた。
「おっ、いいですねぇ。でもどうしたんですか?いつもはまっすぐ帰るのに」
そう言われると魚住は頭を掻いた。
「えぇ、うちのは実家に帰ってるんですよ。親戚の葬式だとかで」
「羽伸ばせるわけですね」
中西は声を立てずに笑った。
「たまにはねぇ。こんなこともないとねぇ」
そこを通りかかったすみれ。
「・・・変ね」
何かをジッと見つめている。
「なにが?」
二人声が合った。
「だいたいこんなタイミングでかかってくるんだけどね」
すみれが見つめているのは電話だった。
「あは、あははは」
魚住は引きつって笑ったが、それから終日気が気でなかった。

[2000年04月19日(水)]

「お前さ、今年どうする?」
「なにが?」
訊いたのは緒方、応えたのは森下である。
暖かな日差しは玄関にも照っている。
「刑事になるの、ホントにやめたのか?」
「いや・・そんなことはないけど・・」
片方のつま先は地面をトントンと叩いている。
「お前の方こそどうなんだよ」
「オレはちゃんと考えてるよ」
胸を張る緒方。
「オレは今年こそ刑事になるぞ」
「ふん、お前毎年同じこと言ってるじゃないか」
正面を向いたまま応える森下。
「今年のオレは違うぜ」
「去年もそう言ってたよ」
「刑事になって事情聴取してやる。こうやって『吐けよ』ってな」
右手に握り拳を作って変な恰好になっている緒方。
「去年は左手だったな」
「うるさいなぁ。気合いが大事なんだよ気合いが」
そこへ
「入れるな、んなもん」
と言いながら和久が通り過ぎていった。
「・・・気合いはいらないらしいよ」
と、森下。
「・・・去年もそう言われた気がする」
と、緒方。

[2000年04月18日(火)]

「ねぇ、青島くん」
すみれは椅子をクルッと回して、呼びかけた。
「ん?なに?」
なにやら書類書きの青島は、タバコの煙で返事をした。
「今度、デートしない?」
「え?どこへ?」
初めて振り返る青島。
「えへへ」
照れくさそうに笑うすみれ。
「なんだよ、気持ち悪いなぁ」
と言い終わらないうちに首のところをすみれに掴まれ引き寄せられた。そのせいでタバコの灰が落ちる。
急にすみれは小声になる。
「今度お父さんの誕生日なのよ」
「それで?」
つられて青島も小声になっている。
「ほら、前に帰るって話をしちゃったでしょ」
「あぁ、そうだったねぇ」
「あの時実はお父さん喜んでたらしいのよ」
「娘が帰ってくるんだもんなぁ」
頷く青島。
「でもまたこうなっちゃったから、しばらくガックリしてたんだって」
そう言って捕まえていた青島の首から手を離した。声も元に戻る。
「だからね、ご機嫌直しに誕生日プレゼントしたげようと思って」
「いい心がけだねぇ」
青島は深く最後の一服を吸うとそのタバコを灰皿にもみ消した。
「それで男の人が何喜ぶか分からないから見て貰おうと思って」
すみれはニッコリと微笑んだ。
「あーよかった」
と書類に戻る青島。
なにが?とキョトンとするすみれ。
「また何かご馳走してくれとか言い出すのかと思ったよ」
そう言われたすみれは青島の肩を掴んでニヤッと笑った。
「別にご馳走してくれても、いいのよ」
首だけ振り返った青島は、
「ニヒヒヒヒ」
と引きつったように笑っただけで何も応えず、また仕事に戻ったのだった。

[2000年04月17日(月)]

「ねぇねぇ和久さん」
「なんだ」
現場からの帰り道の青島と和久。
「うちももう空き地署じゃなくなっちゃいましたねぇ」
「そうだなぁ」
二人は周りを見渡しながら歩いている。
「この柵の向こうも前は空き地だったのに、今じゃ駐車場ですしね」
「そうだったかなぁ」
「そうですよ」
ちょうどベンチがあったので腰掛けた。
「フジテレビにテレコムビルに船の科学館。建物ばかりだ」
青島はそれぞれ指さした。
「ほんとはもっとビル建つはずだったんだから、遅いくらいなんだよここらの開発も」
と和久。
「そうっすねぇ」
と言いながらタバコに火を付け、ベンチに座る腰を深く直した。
「ふぅ・・」
太陽と夕日の中間になっているオレンジ色の空に向かって、タバコの煙を吹いた。
「なんだかおめぇも老けたなぁ」
「そんなことないっすよ」
時間の流れが緩やかになる二人。
つまり、今日の湾岸署も、平和なのである。

[2000年04月16日(日)]

エレベータを待っていた。
「今日はちょっと肌寒いね」
という青島は久しぶりにコートを着てきた。
「朝晩は冷え込むことありますね」
雪乃もコート姿である。
「春冷えっていうのかな。これを過ぎればあったかくなるね」
青島は笑い、雪乃もその眼に微笑み返す。
「おはようございまーす」
と、さして広くもない青島と雪乃の間に割り込んできたのは真下。
「先輩の場合はあったかいとかすずしいとか無いんじゃないですか?」
「真下さん、盗み聞きしてたんですね」
雪乃は笑いながら膨れてみせた。
「いや、そうじゃなくって、ぼ、僕はさっきから、後ろにいたんですっ」
しどろもどろになる真下。
その後頭部に、青島。
「オレがあったかいと思っちゃいけないのかよ」
こちらには動揺せずに応えた。
「先輩の場合は暑い!か寒い!かどっちかでしょう」
「そう言えばそういうイメージしかないわねぇ」
と、二人は笑った。
青島もつられて笑ったが、その意味はよく分からなかった。

[2000年04月15日(土)](Thnx まうっち)

「ほらほら、署長のお言葉だ、静かに!」
副署長が手をたたいた。
「いやいや、座ったままでいいんだよ」
署長は咳払いを一つして、言う。
「最近警官の不祥事がまたマスコミで騒がれてるねぇ。みんな気を入れなおして、特に青島くん、無茶な捜査はしないようにね」
世間がうるさいから、という言葉も付録についた。
「経費の使いすぎもな」
後ろの副署長まで口を出した。
「なんでオレだけ名指しなんだ」
青島がブツブツ呟く。
「おめぇが一番危なっかしいからだろ」
和久がニヤニヤ笑った。口を尖らせる青島。
「和久さんだってたまに一人で無茶するじゃないっすか」
「オレはいいんだよ、ただの指導員なんだから」
「都合のいいときだけ指導員にならないでくださいよ。和久さんが指導してるとこなんて見たことないっすよ」
二人ともうつむいてささやき声で言い合っている。
ほらちゃんと聞け青島、と署長からまたもや名指しで注意されるのは、それから間もなくであった。

[2000年04月14日(金)]

コンピュータルームで真下と雪乃と青島が並んで座っている。
「ないですねぇ」
「ないわねぇ」
「ないだろうねぇ」
そこへ和久が顔を出す。
「何やってんだ?お前ら」
「あ」
三人揃って和久に顔を向けた。
「いや、探し物です」
真下が言うと
「パソコンに向かってか?」
聞き返す。
「ホームページです」
雪乃が笑顔で言うが、
「ホーム・・ページ?」
と和久。
「和久さんはホームページなんて知らないよ」
青島は和久を親指で指しながらニヤニヤする。
「バカにすんなよ。あれだろ?ホームページだろ?ホームページだよ」
やはり和久はよく分かっていない。
「警察のファンクラブがないかなぁって探してたんですよ」
という雪乃に真下が付け加えて
「そんな物好きはあまりいないみたいですね」
それを聞いた和久は笑った。
「そうだろう。警察は恨まれても好かれはしないんだよ」
椅子に逆に座っている青島の
「オレのファンクラブならあるかもしれないなぁ」
という言葉には誰も反応せず、全員仕事に戻った。

[2000年04月13日(木)]

「先輩はクリーニングに物出さないんですか?」
真下が訊く。
「うん?スーツは結構頻繁に出してるけど?」
青島は自分の身体を見た。
「いつもシャツの襟、よれよれじゃないですか」
真下は青島の後ろから首元を見る。
「いつかここをアイロンしてくれる人が出てくるのを待ってるのさ」
何故か気取っているが、
「いや実は、ピチッとしてるとなんだか痒くてね。こう柔らかくしとかないと落ち着かないんだよ」
と、笑った。

[2000年04月12日(水)]

夕方になって突然美香先生がニコニコしてやってきた。
挨拶を済ますとカバンの中から藁半紙を出して、広げる。
刑事課にいた全員が覗き込む。
”海峰小学校新聞”と大きく書かれている。
美香がその中の記事の一つを指さした。その眼は青島を見つめていた。
みな、その記事を目で追った。


「おとなになったらなりたいもの」
    2ねん3くみ おおきつばさ
きのうがっこうのかえりにさっちゃんがわるい男の人においかけられました。
ぼくはこわかったので立っていました。
そしたらおまわりさんとおまわりさんじゃない人が「こらー」といってはしってきました。
わるい人はすぐにつかまりました。
わるい人は「わあ」と大きなこえをだしていました。
でもおまわりさんじゃない人が
「あばれるとなぐるぞ」
といってこわいかおをしました。
そしたらわるい人はしずかになりました。
ぼくもこわかった。
そしたらおまわりさんがわらいました。
「あの人はこわい人じゃないんだよ。けいじさんっていうんだよ」
といいました。
こわい人じゃないときいたらきゅうにそのけいじさんがかっこよくなりました。
ぼくも大きくなったらけいじさんみたいなおまわりさんじゃない人になりたいです。


「ほぉ・・」
魚住が腕組みをしてうなる。
「へぇ〜」
真下はニコニコしている。
美香は先ほどよりいっそう青島を強く見つめている。
その青島は顔を上げ、
「これ・・・だれ?」
とキョロキョロとまわりを見渡した。
「あ、あたしだ。これ」
と声を上げたのは、すみれだった。
美香は残念そうに、視線を落とした。

[2000年04月11日(火)]

「よっ」
と、どこかから帰ってきた青島が通り過ぎる人達に挨拶する。
みな、振り返って青島の頭を見ている。
「ただいま戻りましたっ」
と刑事課に入るなり言うと、無造作にカバンを置く。
「春ねぇ」
とすみれが後ろ向きで呟いた。
「なに?」
不作法に机に腰を軽くかけた青島が聞き返すと
「ま、青島くんは年中頭に花が咲いてるみたいなもんだもんね」
とすみれは書類を持ってどこかへ言ってしまった。
「なんだよ、人をハタ坊みたいに・・」
と、髪を掻き上げた後、ふとその手の平を見て呟いた。
「あ・・春だ・・・」
右手には、桜の花びら。

[2000年04月10日(月)]

「先輩、目が真っ赤ですよ」
フラフラしている青島に真下が言った。
「いやぁ、なんだか近所に盛りがついたネコがいてさ。うるさくて」
眼の下にはクマが出来ている。
「もうそんな時期ですかねぇ」
「なんじゃないの。ミギャーミギャーってすんごいの」
目をこする青島。
その後ろから
「盛りがついてるのはネコじゃなくて青島なんじゃないのか?」
と言いながら和久が休憩室に消えていった。
その背中から
「エロジジィ」
と言おうとしたが、ちょうど雪乃が通りかかったので、あわてて飲み込んだ。

[2000年04月09日(日)]

「あ、青島さん、コートはもう終わり?」
圭子が訊いた。
「うん、昼間はあったかいからねぇ」
青島は笑ってカバンをおろした。
「青島さんがコート脱ぐと春が来たなぁって感じがしますね」
妙子はそう言って隣の葉子と頷き合った。
「なんだ真下といい君らといい、オレを見て季節を判断するわけ?」
口調は怒っているが、眼は笑っている。
「私たちは花見なんて出来ないですからね。代わりの風物詩がなきゃ」
ねぇ、と妙子と葉子は同時にクビを横に傾げた。
それを見て、
「そっか」
と、青島は照れくさそうに鼻を掻いた。

[2000年04月05日(水)]

「今年は出なかったなぁ」
和久が呟いた。
「何がです?」
と訊いたのは青島。
「ほら、自殺志願者だよ。受験にダメだったとか就職見つからなかった、とかよ」
「そういやそうですね。毎年三月頃には何件かあるもんですけどねぇ」
「まぁそんな物騒な習慣は無くなった方がいいじゃねぇか」
微笑む和久。青島もつられて笑う。
「受験はともかく、就職なんてみんな一緒に就職難っすからね。大した問題じゃないんじゃ?」
「そうだよな。オレのガキの頃なんて食う物もろくになかったんだからな」
「また始まったぁ」
青島は露骨に嫌な顔をした。
「いいじゃねぇか。お前らは話で聞くだけだけどよ、オレは実体験したんだからな」
「はいはい」
何度も聞かされた和久の昔話が、またそうして始まる帰り道であった。

[2000年04月04日(火)]

「先輩、そのネクタイ、どこで買ったんですか?」
「なんだよ、突然」
現場に向かうタクシーの中でいきなり言われて驚く青島。
「オレの真似でもしようっての?」
「まさかそんなわけないでしょ」
自分のネクタイを正しながら笑う真下。
「最近よくネクタイ見に行くんですけど、そんな真っ赤なネクタイはあまりないなぁと思って」
「なんだ、バカにしてんのかよ」
青島はそう言いながら腕組みをした。
「いや、そうじゃないんですよ。似合う似合わないがありますからね。それ先輩には似合ってますよ」
「それでフォローしてるつもりなのか」
フンと鼻で息を吹き出すが
「これは貰い物だよ。誕生日だったかな」
「え!?だ、だ、誰から?」
急に身体を青島の方に向ける真下。
「いいじゃないの。お前もよーく知ってる人さ」
そういうと、現場に着いたか、タクシーを降りていく青島。
「うー・・・」
と、いろいろな人を頭に思い浮かべる真下だったが、
「860円だよ。領収書いるかい?」
という運転手の声で、我に返るのだった。

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